株式会社E-LINE

当事者研究プロジェクトParticipant Research Project

発達障害者による、発達障害者のための当事者研究
 株式会社E-LINEでは、東京大学先端科学技術研究センター・熊谷研究室(COPRO)が主導する「発達障害者による、発達障害者のための当事者研究」に関連し、M-GTA(修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ)を用いた質的分析支援を行いました。

 熊谷研究室では、2011年から発達障害当事者自身が研究の主体となり、生活の工夫や困りごとを語り合う「当事者研究会」を継続的に実施しています。その規模は延べ2,700名を超え、記録された語りは、発達障害を社会モデルの視点から捉え直す貴重な研究資源となっています。この営みは「言いっぱなし聞きっぱなし」「かけこみ当事者研究」といった独自の形式を取り入れ、研究成果はマニュアルや動画を通して社会に還元されています。

 E-LINEは、この膨大な語りの記録から当事者の経験を理論化し、新しい知見を抽出するために、M-GTAによる質的分析支援を担当しました。M-GTAは、現場のデータに根ざしながら概念を生成し、カテゴリー間の関係を明らかにしていく手法であり、当事者の困難や工夫を社会的文脈の中で体系化するのに適しています。E-LINEの分析チームは、参加者が語った具体的エピソードを基に、「困難の構造」や「対処のプロセス」を抽出し、それらを比較・統合することで、当事者研究の蓄積がより汎用的な知識として展開されることを支援しました。

M-GTA

 この分析支援は、当事者が生み出す新しい概念やフレーズを整理し、仮説の形で提示することにもつながりました。さらに、熊谷研究室では研究成果を企業や教育現場、福祉の実践に応用できるよう、質的データの可視化や説明資料の整備も進めました。これにより、当事者研究が自助の方法にとどまらず、社会全体での共生や組織変革の方法として発展していく基盤形成に寄与したもとと考えております。

 E-LINEは今後も、テキストデータに潜む重要な情報に対して支援を続け、質的データと研究、そして社会をつなぐ役割を果たしていきたいと考えております。


M-GTA


M-GTA


参照:https://otoemojite.com/


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